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「がらくたを集める」

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断捨離、ミニマルライフなど、 シンプルな生活がもてはやされている今。 あえてがらくたや古道具などを集めるということについておはなしします。

脱、シンプルイズベスト

流行のインテリア雑誌がこぞって推奨する断捨離。 いらないモノをため込まず、常に最小限度の持ち物で暮らす。 欲望を抑え、本当に必要なモノを見極める。そうして、 見えてくるなんとかかんとか、自分自身とか…環境とか…社会?世界?宇宙?みたいな……。

こういったシンプルイズベストという価値観、 なんというか正義感にも似たそいつがぶんぶんと振り回されている一方、機能を果たすことのないモノ、 あるいは機能以外の価値があるものに囲まれて過ごす良さについて考えてみたり、語られたりすることがなさすぎるんじゃないか。

ふるいものから時間を感じ取る

ぼろぼろのがらくたや古道具のもっている魅力のひとつに、 人為的に作り出すことのできない「時間」 という要素があります。「骨董」 となってくるとまた話がややこしくなってきて、 希少価値だとか当時の技法だとかなかなか大変なことになってくるけれど、そこまで踏み込むかどうかはおいといて。

「ふるいもの」 について、まずはそのモノがすごしてきた歴史を想像してみる。たくさんの時をすごしてまるみをおびた木の感触。 ふるびた真鍮や鉄は金属でありながら柔らかく光を吸い込んで、ギラギラすることがない。清潔かどうかでいくと、 新品のプロダクトに比べたらそうじゃないかもしれない。でも、 なんだか受け入れたくなってしまう。

また、単純に形や素材感に惹かれるということももちろんある。服を選ぶのも似たような楽しみがありますね。 もう今となっては気恥ずかしくて着られないようなものも、 アルバム代わりに何枚か持っていて良い。 もちろん捨てることも必要なときはありますが、捨てることにこだわらず、あくまで選択することが大事なんじゃないか。

「今」ばっかり見つめて、「今」 以外を無駄なものとしてそぎ落としても、結局最後に残る「今」 が痩せてしまうんじゃないか。 私を取り囲むがらくたの数々を眺めているとそんな考えが浮かぶのです。

一度他人が所有したものは触れない、なにか元の持ち主の気持ちがこもっている気がして無理、なんて意見もあるし、かくいうわたしも石のついたアンティークジュエリーなんかは苦手です。けれど、なにか心惹かれる対象にあったら、とりあえず先入観は捨てて、どうして心惹かれるのかをゆっくり考えてみる時間があっていいのではないでしょうか。

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